突然ですが「オフロードバイクに乗っているとケガをする」そんなイメージ持っていませんか?
…
はい。その通りです。大小のケガは必ずつきものです。擦り傷はケガとして含まず、骨折だとガーン、靭帯損傷はズーンって感じです。
ツイッターでのアンケートでもやっぱ結構みなさんケガしてますね…
(*´ェ`*) バイクに乗ってて骨折もしくは靭帯損傷
— CGC HARD ENDURO JAPAN (@GeroCup) July 21, 2020
去年の今頃僕はレースで手首を骨折して手術を受けた頃でした…。
このブログを始める際の裏テーマとして「ケガする人を減らしたい」と思っていたのに、この記事のアップをグズっていたら、自分の骨折のちょうど一年後の先日、チームメイトも同じレースで骨折…。
リスクを最小限にして、楽しく乗りたい。そんなあなたに聞いてほしい。
自分の骨折経験と(なるべく)ケガをしないための装備と練習を知っていただけたら。
骨折した話
「橈骨遠位端粉砕骨折」
といういかにも物騒な名前の、実際に物騒な骨折をしました。
自分にとっては、モトクロスレースに出たことはあったものの、エンデューロレースはデビューとなった、去年のWEX west ドリーミンほおのきです。
地道な8の字練習、コース練習、1週間前にもスラムで90分の走り込みをして臨んだレース当日。1週目、難所の登りをどうにか超え、苦手ウッズも超え、「お、意外と行けるやん!」と調子こいた瞬間、劇下りで前転しました。
下り始めた瞬間、速度が自分のイメージよりも出たこと、大きなギャップにまず弾かれバランスを崩し、多分パニックブレーキ、2個目のギャップで多分飛んで行った覚えがあります。
ほぼ何も覚えてないんですが、手を地面についた瞬間、「いつもと違う」感覚があったことだけは覚えています。
そのままコースの真ん中に座り込んで、自分の手を見たら、そのわずかな数秒間で右手のグローブがはち切れんばかりに手首が腫れ上がっていました。誇張抜きにグレープフルーツ大。
応急処置
とにかく真夏の晴天だったのに、寒気が止まらず、なのにおでこからは滝のような汗。ショック症状です。
車に乗せられ、スタート地点付近の野戦病院のような救護所で応急治療。スタッフ5人がかりで体を押さえつけられて骨継ぎです。
ずれた骨を引っ張って、正しい位置に直されるんだけど、病院ではないから麻酔もないし、ロキソンニンもなし。
痛さには波があって、痛い時には声にならない声を上げつつ半分気絶、痛みが引くと朦朧とした意識で相変わらずガタガタ震えていました。
骨折から約2時間、こんな状態を繰り返し、自分と同じ90分のレースに出ていたチームの先輩がロキソニンを持ってきてくれ、ようやくここで痛みが引きました。
治療
ロキソニンが効いてるうちに帰ろうということで、バイクは先輩に託し、自走で車を片手運転して帰ります(ほんとはダメ、あの時はどうかしてたw)。世間的に夏休みに入った2日目ということで、病院は休院。2日後の受診となります。
ロキソニンを飲めば痛みはだいぶ治るけれど、ちょうど折悪く奥さんは遠方に旅行中。片手で犬の散歩をし、猫のゲロを片付けるのほんと辛かったw
近所の割と大きい整形外科を受診するも、即座に赤十字病院に転院指示。
翌日午前赤十字病院で受診、ミニオンの靴下を履いた女医さんに「夕方なら手術できるよー」と言われ、台風の中手術。
チタンのプレートで大きい骨と骨をつなぎ、散らばった骨のかけらは2本のピンで止めたとのこと。
予後
今時の医学はすごいもんで、手術の翌日には退院。重いものさえもったり、右手をついたりしなければ何しても良いとのこと。すげえ。
そこから3ヶ月でギプスを外し、そこから3ヶ月でスポーツ解禁(バイクもヨシとの事)、さらに3ヶ月で完治。結局10ヶ月近くかかりました。
ケガにまつわる僕なりの問題提起
オフロードの世界の人たちって、自分もケガをしてきているので「ケガはやむなし」なところがあります。
でも例えば下りの走り方を聞いても「アクセル開けろ」とか「度胸」とか言ってきますw
自分の骨折ももちろん自分の責任で誰も責められないけど、自分が骨折界の先輩となってから思うのは、そもそもレースに出るレベルにあったのか?をきちんと判断する(もしくは誰かが判断してくれる)が良いと思うのです。
それと初心者に対しての下り坂アドバイスとしては「アクセル開けろ」や「度胸」ではないんじゃないか?とも思うのです。
アドバイスが適切だったら、おれも骨折しなかったのに…というつもりは毛頭ないです。
でも骨折後に、僕の質問に答えてくださった、モトクロス国際A級の鈴木友也さんの答えを読ませていただいた時に、「骨折る前に知っておきたかった…」「ちゃんと技があるやん…」と思ったのも正直なところなのです…。
「まずはリアブレーキ、その状態でフロントブレーキ」というシンプルなのに、この膝を打ち抜きたくなる明確なお答え!!
とにかくこれを意識してリアブレーキ引きずり気味でフロントで調整の練習を繰り返し、下りの苦手意識だいぶ、だいぶ解消されました。
てか、オフロードブーツでリアブレーキを踏むっての、みんな忘れてしまったのかも知れないけど、あれ難しいよ!!
初心者ってどの辺?
初心者って一口に言っても、レベル色々あるよね。土の上を走るの怖い人、フラットな林道なら行ける人、ジャンプ飛んだことある人、普通の登り下りなら出来る人、エンデューロレース周回できるけど自信ない人。コースを一人で走るのは得意な人、みんな「初心者」と括られます。
初心者の中でも上級初心者に向けたアドバイスとして「下りはアクセル開ける」はある程度正しいんだけど、初級初心者には「リアブレーキからかける」がベストアンサーな気がするんだけど、みなさんどうでしょ。
しかも自分のことって、一番わかりづらいから「自分がどの初心者か?」って分かりづらいんです。
骨折した当時の僕は初級初心者だったんだけど、初級初心者の練習を知らずに、上級初心者のように振る舞ったおかげで骨を折ったんじゃないかと今では思っています。
骨を折らない最適解は
ずばり「レベルにあった練習」です。
初心者には色々な段階があること、その段階に応じて練習法があるはず。
ということで初心者のおれが考えた、自分はどれぐらい出来るかな?というチェック表。
いくつできればレース出れるとかそういうもんではないです。あくまで初心者がぶち当たる壁&覚えておくと怪我のリスクが減るであろうリストです。
まとめ
「骨折はしかたない」は、ある程度高いレベルを目指す時にはもしかしたら本当なのかもしれない。
でもこれから始める人が「骨折するならやめよう」と思っても欲しくないし、実際に骨折もして欲しくない。という思いで書きました。
私事ながらこのブログのテーマが見えた気がします。「怪我しないため」もしくは「怪我を最小限に防ぐため」に何か出来ないかな。と考えてます。ウェイ